授業科目区分   授業科目 開講時期
  水 環 境 特 論 2年 後期
(英名)  Advanced Water Environment
単位数 担当教員 授業の目的およびねらい
2 八木明彦 水を中心とした環境問題を学ぶ。陸水学や海洋学について、学問の歴史的背景や今日的問題について考える。具体的には、湖沼、海洋、干潟の水質汚濁・富栄養化とその修復などを考える上で重要な物質循環について実例を用いて、理解を深める。
 授業の概要  
 都市環境を取り巻く水質汚濁問題は公害問題から環境問題へと形を変えているが、その基礎的背景となる陸水学(limnology)や海洋学(oceanography)について学問発達の歴史過程を学び、今日抱えている水環境問題をより深く考える。具体的には、湖沼、沿岸海洋、干潟の水質汚濁・富栄養化と水循環とから、微生物を介した物質循環を中心として学び、自然自浄作用の仕組、さらにはリサイクルのありかたを理解し、そこから環境修復などを考える。また、様々な環境実例を現場と文献から読み取り理解を深める。湖沼の水温分布、溶存酸素の成層構造から表層水、変水層、深水層の特徴を知る。
 さらに、酸素の有る層と硫化水素の存在する層の境界である酸化還元境界層の様々な物質循環と微生物の関与を学ぶ。
窒素・リンの存在量と一次生産との関係を学び、富栄養化の特徴を考える。干潟においても、干潟底泥間隙水、タイドプール及び底泥の特徴を学び、さらには物質循環の立場から干潟修復にはどのような考えが必要か考察する。 全体として、水域の物質循環と自然界のリサイクルから循環型社会の構築と仕組みを考える機会とする。
授 業 計 画
1 物質循環とは何を説明する。
2  河川・干潟の水理・光条件と特性を学ぶ。
3  水質汚濁と富栄養化、生活環境と人の健康について学ぶ。
4  湖沼の水温の鉛直分布と成層および富栄養湖の溶存酸素の鉛直分布。
5  湖沼・干潟の窒素とリンを主体とした栄養塩類の動態。
6  湖沼・干潟の生産者と分解者の関係。
7  湖沼における微生物が関与する浄化機構
8  干潟における微生物が関与する浄化機構。
9  酸素のある水と酸素が無くなる水の境界(酸化還元境界層)の特徴。
10  底泥と間隙水中の物質循環。
11  水質汚濁、富栄養化対策の方法。
12  水域の物質循環と自然界のリサイクルの仕組みを考える。
13  湖沼と干潟での調査と結果の演習。
14  湖沼と干潟での調査と結果と解析
15 総合的に物質循環ついての討論をする。その後、口頭試問と試験。
 評価方法・評価基準              
講義、討論を各項目毎に行う。レポートは、講義内容について課題を提出する。出席(10%)、討論(10%)、レポート(30%)および口頭(20%)とペーパー試験(30%)によって、評価をする。
  テキスト、教材、参考図書等 その他、履修上の注意事項等
新版湖沼調査法、西條八束・三田村緒佐武著、講談社サイエンティフィク。自然の浄化機構、宗宮 功編著、技報道出版 調査には必ず参加して欲しい。